ストレスが増加すると比例して睡眠時間が増える

体の眠りに対する要求はいつも同じではなく、日によって高まったり低くなったりします。睡眠の要求量を増やす、一番大きな因子はストレスです。

ストレスは脳細胞を疲弊させます。たくさんの時間、続けてストレスがかかってしまうと、眠っても眠ってもまだ寝足りないと感じることがあるものです。

睡眠要求が低下するのは「すべてが順調にいっている時です。心身ともに良好の状態です。
毎日、順調で楽しい日々を送っているときです。毎日が憂鬱だったり、仕事がうまくいかなくなったり、職種や職場が変わったり、生活の仕方が急に変わったりした場合には、睡眠要求が高まります。ストレスがかかると睡眠要求は比例して高まるのです。

過労の2パターン「筋肉疲労・肉体疲労」「神経疲労」

その1つの例として、それまでの生活が急に変わった30代男性の例です。その男性は、肉体労働者として生活してきたのですが、大学に行けなかった人たちを対象にした特別プログラムによって、ある有名大学に入学しました。これがきっかけとなってしまいました。せっかく自分を高めるためにアクションを起こしたのに逆効果になってしまったということです。

いままでの肉体労働を中心にした生活から頭脳中心のそれへと、生活が大きく変わりました。ところが、読書の速度が遅いということもあったりして、毎日がつらくなり、これに比例して当然ストレスも高まりました。

ストレスが高くなるのと同時に睡眠要求が高まり、いくら眠ってもまだ眠いと感じるようになったというのです。

また女性では、一般に「悲しい状況」に陥ったとき、睡眠要求が増大すると報告されています。愛していた男性と別れなければならなくなるなど、悲しい状況にあったときは「疲れきって早い時間帯にベッドに入ってもその翌朝はまったく起きられないという女性が多いのです。さらに半数以上の女性は、生理の前になると眠れなくなります。

睡眠中も体は活発に動いている

睡眠中は、一般的に安静状態とイメージされる人がほとんどです。しかし、眠っているときの体は案外不安定です。

ポリグラフ記録(脳波や筋電図、眼球運動、呼吸運動などを同時に記録したもの)でごく普通の健康状態の人を調べてみると、まず血圧は寝入ったあとで低下しますが、徐々に上昇し、さらに、朝方にも上昇します。血圧が高めで血圧を記録している人は、昼間より朝方のほうが高いことを体験的に知っていると思われます。

心拍数は、眠りによって減っていきますが、レム睡眠では一時的に急増します。呼吸数もレム睡眠になると早くなり、不規則になります。

これらは、夢の中で泣いたり怒ったりしているときに対応していることによります。発汗は胸の部分で入眠時に増加し、次第に減って朝方は最も少なくなります。
皮膚の温度を調べてみると、額は低く手足は高い「頭寒足熱」型になっています。

体温は睡眠時には下がります。これはやはりエネルギー節約のためでしょう。胃腸の動きや胃液の分泌は、眠っている間は減少します。レム睡眠のときには男性ではペニスの勃起も見られます。オシッコの量はレム睡眠期になると減少し、比重が増加します。

成長ホルモンをはじめ、プロラクチン、副腎皮質ホルモン、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどは分泌が多くなります。さらにまた、寝返りだとか手足がビクンとするような細かい運動が見られます。

このほか寝言や、眠っていて突然に起き上がり歩き出したりする夢中遊行症、突然大声をあげて起き上がる夜驚症、歯ぎしり、夜尿症などの異常な行動もいろいろ現われます。

睡眠中は安静中と思われがちですが、じつは体は安静ではないのです。

ストレスの救世主「α波(アルファ波)」

瞑想状態の時に出るα波(アルファ波)は、ストレスが過剰になっている現代社会においていは、ストレスの救世主と言えるでしょう。
α波(アルファ波)は、脳波の波形の1つで、10サイクル、30マイクロボルトぐらいの電圧のものです。

α波はふつう大脳皮質の脳細胞の活動が低下したときに現われるのですが、具体的には、たとえば、いすに腰かけて目を閉じたまま何も考えない状態のことです。

つまり覚醒時の脳波なのですが、肉体的にも精神的にもリラックスした状態に出てくるのです。気持ちよく入眠するには、リラックスすることが必須です。

脳が緊張していたのではなかなか眠れません。そこでα波(アルファ波)が必要なのです。α波(アルファ波)を上手に使えば、心地よい眠りが得られます。では、どうやって作り出せばいいのでしょうか?

いろいろ方法がありますが、いちばん手軽で誰でもできるのは、入浴です。これによって交感神経が抑えられ、副交感神経が優位になってα波(アルファ波)が出てきます。眠る前に風呂へ入るのがよいのは、そのためです。
特に半身浴がもっともおすすめです。

入浴で芯からじっくり温める方法(半身浴)
https://constipation-guide.net/cold/?p=188

睡眠前にα波(アルファ波)が出る音楽もおすすめです。入浴後にα波の出る音楽を聞いてリラックスすればスムーズな入眠が可能になるでしょう。

脳内に睡眠物質がたまると眠くなる

脳内に睡眠物質がたまることで眠くなる、といった考えについて初めて科学的な実験が行なわれたのは、今からおよそ70年も前のことでした。

フランスの心理学者は、10日以上眠らせないでおいた犬の脳脊髄液を取り出して、別の正常なイヌの脳室に入れてみました。するとそのイヌは徐々に反応が鈍くなって、それから数時間のあいだ眠り続けてしまったのです。

この実験から、眠らせなかったイヌの脳脊髄液の中に眠りを引き起こす物質「ヒプノトキシン」が蓄積されたことによるものだと考えました。

それから30年はどして、有機化学の分離法の進歩とともにこの間題は再び注目されています。これまでに催眠効果を持った物質は、睡眠ペプチド、ムラミルペプチド、プロスタグラディンD2など20種類以上も報告されています。

「ヒプノトキシン」も簡単な構造のペプチド(2つ以上のアミノ酸が結合した化合物)であることが、確認されています。

ウサギの脳を電気刺激で眠らせ、こうして眠ったウサギの血液の中から強力な催眠効果を持つ物質を見つけました。また日本では、40匹から50匹のネズミを24四時間眠らせないでおいて、「眠りのジュース」を抽出しました。睡眠物質の脳の中での働きが明らかになれば、睡眠のメカニズムが解明されるだけでなく、文字どおり「夢の睡眠薬」 ができるかもしれません。

そうなると私たちは眠りを自由自在にコントロールすることができるようになるかもしれません。
そして睡眠の質についてももっと高めることができるようになるかもしれません。