目覚まし時計がなるたびに「もう少し寝ていられたら…と思う人もいますが、真逆で目覚まし時計をセットしなくても、起きようと思ったらその時間にぴったり起きられる人もいるのです。
普通の人でも、たとえば明日は6時に起きなければいけないというとき、目覚ましが鳴る直前に目が覚めたという経験をしている人は多いはずです。どうしてこんなことが起こるのでしょう?
そうした現象は、睡眠中にも注意力が働いているという考えから「注意睡眠」といいます。この注意睡眠の特徴は、起きなければいけない時刻よりも早めに目覚めるのが多いことです。
順天堂大学での実験によると、目覚めの正確さという点では、予定時刻から20分以内に起きられたケースが36パーセント、60分以内は64パーセントになっています。
しかしこの一方では、眠っているときに途中で何度か目覚め、まだ予定の時刻になっていないとわかると再び眠りに入って、睡眠と覚醒とを繰り返したあとで予定時刻に起きるという例もたくさんありました。
こんな場合に目覚めの回数が増える傾向があるのは、睡眠中にも注意力が働くので眠りが浅くなるためだと考えられます。明日、大事な商談がある、明日はデートというと眠れない人が多いのはこうしたことが原因です。
普通でも、ひと晩の睡眠ではアルファ波の出現(半覚醒の状態)が数回はあります。ところが注意睡眠の場合には、この状態のときに予定の時刻に起きなければいけないという記憶が思い出され、精神的に緊張して、本物の覚醒へと導かれていくわけです。
明日○時に起きなければいけないというのは脳にもの体にもストレスになってしまうのは間違いありません。