こちらでショートスリーパー、ロングスリーパーについて紹介しましたが睡眠時間は、個人によってそれぞれですが、、年齢によってもかなり異なってきます。
大きな分類では、新生児で18時間、10歳児で11時間、成人では7~8時間といったところです。
子供の睡眠時間が長いのは、睡眠が成長と関係しているからです。昔から「寝る子は育つ」と言いますが、これはまんざらでもないのです。
とくに深い眠りは、体の機能を回復させ、成長を促進し、心の健康を維持するのに役立っているらしいということが、最近の研究でわかってきました。子供の場合、この深い眠りが非常に長く続きますが、大人になるにしたがってそれが少しずつ減少し、老人になるとほとんどなくなるのです。年をとると眠れない…というのがお年寄りの口癖のように思っていましたが、じつは本当によく眠れないのです。
そして、この深い眠りのときに成長ホルモンが放出されます。子供はこうしてすくすく成長していくわけです。これとは反対に、「虐待されている子供は、正常な成長が妨げられる」ということも確かです。虐待されると、いつもびくびくしていてぐつすり眠れません。深い睡眠がとれないのです。
すると子供の成長に必要な成長ホルモンも少量しか分泌されないので順調に成長できない、というわけです。
そうした家庭から子供を引き取って、安眠できる環境を備えた場所に移して育てると急激な成長を見せ始める、という報告があります。
眠りと成長がいかに深く関わっているかということです。
体の成長だけではありません。心の健全な発育にとっても睡眠は重要です。深い睡眠に入るのを邪魔する実験を続けていると、子供は落ち込み、イライラし、精神的に不安定になってしまいます。そこで再び深い睡眠をとることができるようにしてやると、途端にそれらが解消されて元気になるのです。睡眠の環境づくりは、子供の成長にとって、たいへん重要な意味をもっているのです。